有用植物利用法(47)~ショウブ(菖蒲)2:花言葉と逸話~

ショウブには花の美しいハナショウブと菖蒲湯に利用するショウブがありますが、それぞれ別の花言葉がつけられています。

菖蒲の花言葉は、「勇気」「嬉しい知らせ」「適合」

ハナショウブの代表的な花言葉は「優しさ」「伝言」

ハナショウブの花全般の花言葉 優しい心、あなたを信じる、優しさ、心意気、優雅、伝言、信頼、忍耐、諦め、情熱
ショウブの花全般の花言葉 適合、勇気、嬉しい知らせ

    

◎ハナショウブの花言葉に関する逸話

ハナショウブの花言葉の由来や逸話は、花言葉ごとにいくつかあります。

「伝言」アヤメの仲間全般につけられた花言葉で、学名のIrisがギリシャ神話の虹の女神であることに由来。イリスが神々の使者であることから、「伝言」という花言葉の元となりました。

「優しい心」「優雅」という花言葉は、ハナショウブの姿にちなみます。「優しい心」は、優しい色合いの花びらが、奥ゆかしく垂れ下がるように咲くことに由来。「優雅」は、凛と伸びた茎の先端に咲く優美で美しい花の姿から来ています。

◎「心意気」「情熱」に通じる逸話

鵺退治をしたことで名高い平安時代の武将、源頼政は、鳥羽院から褒美に「菖蒲御前」という美女を賜ります。もともと菖蒲御前は鳥羽院の女房で、頼政が一目ぼれして、手紙を送り続けていた女性でした。

鳥羽院は、菖蒲御前と他の2人の女性に同じ着物を着せ、頼政に、この中から本物の菖蒲御前を選ぶように言います。困った頼政は和歌を詠みます。

「五月雨に 沼の石垣水こえて いずれかあやめ 引きぞわずらふ」
意訳:私の想いが水のようにあふれてしまい、どれがアヤメ(菖蒲)なのか引き抜くのをためらって病になりそうです。

鳥羽院はこの歌に感激されて、頼政は菖蒲御前を妻にすることができました。また、この逸話は「いずれ菖蒲か杜若」ということわざの元となったとされます。

*ハナショウブと菖蒲湯に入れるショウブの違い

葉姿が似ている「ハナショウブ」と「ショウブ」。実は両者はハナショウブがアヤメ科、ショウブがショウブ科に属する、全くの別種なのです。

アヤメの仲間のうち、ハナショウブは歴史が新しく、野生のノハナショウブを交配させて盛んに園芸品種が作られるようになったのは江戸時代です。

今も葛飾区には「堀切菖蒲園」と言う駅名が残るように、江戸中期に花菖蒲園が開かれて名所となりました。歌川広重をはじめとする多くの絵師によって、浮世絵にも描かれています。

ショウブはショウブ科に属する水辺植物。中央部の高い扁平な葉が特徴。花は穂状で目立たず、学名の「Acorus」は「美しくない」という意味。

刀のような葉と爽やかな香りが邪気を払うとされ、奈良時代に、端午の節句にお風呂に入れる習慣が始まりました。武士の時代には「勝負」に通じるため、魔除けとして軒先に吊るす事や「菖蒲湯」が定着。古くから漢方薬にも利用されます。

ソフィア

 

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