有用植物利用法(41)合歓の木(ねむのき)

和名のネムノキは、夜になると葉が合わさって閉じて(就眠運動)眠るように見えることに由来する。別名はネム。漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付けられたものである。

中国植物名(漢語)は合歓(ごうかん)である他に、馬纓花絨花樹合昏夜合鳥絨などの異名がある。

日本の地方により、ネブノキ、ネブタノキ、コウカンボクの方言名がある。このほか、方言語彙には次のようなものがある。

  • ねむたぎ、ねぶたぎ(眠た木):宮城県、山形県、福島県などの一部
  • ねふりのき(眠りの木):京都府の一部
  • ねむりこ(眠り子):大分県、宮崎県の一部

・イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島、日本の本州・四国・九州・南西諸島に分布する。各地の山野、原野、河岸に自生する

・ネムノキ属は主として熱帯に150種ほどが分布するが、その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。温帯で広く栽培され、一部で野生化している。

*特徴

落葉広葉樹の小高木または中高木。河原や雑木林に生え、高さは6 – 10メートル (m) になる。生長は早いほうで、枝は横に広がる。葉は大型の2回偶数羽状複葉で、多くの小葉をつけ、夜は小葉が閉じる

花期は夏(6 – 7月)で、小枝の先から花柄を出して、淡紅色の花が10 – 20個集まって頭状花序のようにつき、夕方に開き、翌日にはしぼむ。萼は小さく、花冠は筒状で上部が5裂する。雄しべの花糸は淡紅色で長く、花の外に突き出て目立つ。香りは桃のように甘い。マメ科に属するが、マメ亜科に特徴的な蝶形花とは大きく異なり、花弁が目立たない

陽樹であり、荒れ地に最初に侵入する先駆種である。芽吹くのは遅いが、成長は他の木と比較すると迅速である。

ネムノキの就眠運動は、葉の付け根の膨らんだ部分(葉枕)の内部圧力を変化させる仕組みにより葉を開閉する。周囲が暗くなると葉を閉じるが、光を当て続ける実験を行ったところ、体内時計による概日リズムに従って就眠することが判明している

*ネムノキはキチョウの食草で、時として多数がついて食い荒らされる。また、大型のカメムシであるオオクモヘリカメムシがよくついており、うっかり触ると非常に臭い。 他のマメ科植物と同様に根粒菌と共生関係にある

*利用法

観賞用に庭園樹になるほか、街路樹としても使われる。材は、器具材や各種木工品として利用される。葉の粉末は抹香に使う。害虫駆除、鎮痛、家畜の飼料などにも利用される。塩害に強い特性から、日本では古くから海岸線の防風林として利用されている

*薬用

中国医学では花を生薬として用い、夏に採取して天日乾燥したものを合歓花(ごうかんか)と称する。性は平、味は甘であり、精神安定や不眠解消の効果があるとされる。樹皮は合歓皮(ごうかんひ)と称する生薬で、7 – 8月ころの樹皮が剥がれやすい時期に幹や枝の一部から剥ぎ取って、表面の粗皮を取り除き、天日乾燥させたものである。樹皮にはタンニンが含有され、利尿・強壮・鎮痛効果があり、花と同様に不眠、不安に対する薬効もあるとされる

民間では花・樹皮ともに1日量5 – 10グラムを水600 ㏄で半量になるまで煎じて、3回に分けて服用することで、ストレス性の不眠、不安によいと言われている。また関節痛や腰痛を目的に、樹皮10 – 15グラムを水400 ㏄で半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用する用法も知られている。さらに、打撲や挫傷には、合歓皮を黒焼きにして黄柏末(オウバクの粉末)を混ぜて酢で練り、冷湿布に用いる

*花言葉は「歓喜」

夏の季語であり、万葉集や松尾芭蕉、与謝蕪村の句に登場する。 長谷川雪旦の『江戸名所花暦』では、綾瀬川河岸のネムノキの眺めが名所として取り上げられている

《参考:Wikipediaより》

ソフィア

 

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